日本の主要な非鉄金属生産企業によると、2025年3月までの期間において、亜鉛の生産量は増加する見込みである一方、銅の生産見通しは企業によって異なるとのことです。経済産業省(METI)のデータや各企業の発表がこれらの動向を示しています。
亜鉛生産は増加傾向、銅は企業によって異なる動き
三井金属鉱業は、亜鉛の生産量が前年同期比5.9%増の119,100トンになると予測しています。これは、4月から9月にかけての定期メンテナンス後の生産能力拡大によるものです。経済産業省のデータによると、8月の亜鉛生産量は前年同月比8.8%増の34,191トンとなり、3カ月ぶりの増加となりました。7月の生産量は25.4%減少し、23,371トンにとどまっていました。
一方、銅の生産見通しは一様ではありません。住友金属鉱山は、愛媛県の東予工場で2023年後半に実施された大規模なメンテナンスの反動から、2025年3月までの銅の電解生産量が21.4%増の227,000トンに回復すると予想しています。また、国内最大の銅供給企業であるパンパシフィック・カッパーは、4.4%増の303,700トンを計画しており、国内の銅生産が順調に推移していることを示しています。
しかし、全ての企業が楽観的なわけではありません。三菱マテリアルは、香川県の直島製錬所での定期メンテナンスのため、銅生産量が5.7%減の196,578トンになると予測しています。それでも、経済産業省のデータによると、国内の電解銅生産量は今年に入ってから増加傾向が続いており、8月の生産量は前年同月比4.7%増の133,385トンで、7カ月連続の増加となりました。
これらの予測は、日本の非鉄金属業界の複雑さを浮き彫りにしており、各企業のメンテナンス計画や生産能力、外部需要などが生産量の変動要因となっています。