中国のレアアース(希土類)永久磁石材料の輸出量が8月に増加し、前年同月比および前月比で伸びを見せました。海上輸送の需要が強まったことが、この増加の背景にあります。中国税関のデータによると、8月の永久磁石(HSコード85051110)の輸出量は前年同月比26%増、前月比0.9%増の5,325トンに達しました。今年2月には、前年以来の最低記録である3,326トンに落ち込みましたが、その後6カ月連続で回復しています。
価格の下落で需要増加
輸出量の増加にもかかわらず、永久磁石の輸出価格は引き続き下落しました。8月の平均輸出価格は1トンあたり46,985ドルで、前年同月比21%減、7月比で3%減となりました。これで価格は5カ月連続の下落となり、価格の下落に伴って海外のバイヤーが積極的に在庫補充を進めました。価格の低下要因としては、磁石工場の生産拡大やレアアース原料価格の下落、主要用途分野からの消費需要の減速が挙げられます。
今年1月から8月までの中国のレアアース磁石輸出量は前年同期比6%増の38,138トンに達し、平均輸出価格は21%下落し51,400ドルでした。ドイツ、韓国、米国が引き続き主要輸入国となっており、全輸出量の42%を占めています。また、ハンガリー、マレーシア、メキシコへの輸出は前年同期比で最も大きな伸びを見せました。
中国のレアアース磁石の輸