中国のコーカー設備停止、アノード用高硫黄コークス供給に影響


中国の独立系精製業者である浙江石油化工が、9月19日に遅延型コーカー(DCU)の運転を停止しました。これは、アノードグレードの石油コークス、特に硫黄含有率が高いものの供給に大きな影響を与えています。この停止により、約7万トン/月の硫黄含有率6.5%、バナジウム350ppmのコークスの供給が途絶えることになり、アノード用のコークス市場が引き締まると予想されています。

国内市場からの供給が減少することで、米国メキシコ湾岸のMotiva社がテキサス州ポートアーサー製油所で生産する高硫黄アノード用コークスや、サウジアラビア産のスポンジグレードコークスへの需要が増加すると見込まれています。

影響が広がる世界のコークス市場

さらに、日本のCosmo Oilが堺製油所で生産している硫黄含有率7%、バナジウム含有量300ppm未満のコークスも、需要が高まる可能性があります。堺製油所は年間約50万トンのコークスを生産しており、そのほとんどが四日市霞パワープラント向けに供給されています。しかし、この発電所が現在メンテナンス中であるため、一部のコークスが輸出向けに販売されており、中国市場には1350元/トン(192ドル/トン)で提供されています。これは、日本国内の燃料用コークス価格である17,500円/トン~20,000円/トン(122.33~139.78ドル/トン)よりも高い価格帯です。

中国は2023年11月以来、コスモ石油からのコークスを輸入していませんでしたが、今年7月に11,000トン、8月に21,800トンを輸入しており、供給不足を補う動きが見られます。この状況は今後も続き、世界のアノードグレード石油コークスの価格に影響を与える可能性が高いです。

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