リオ・ティント、大手リチウム企業アルカディウム買収に向け交渉中

リオ・ティント

世界的な鉱業大手リオ・ティントは、米国のアルカディウム・リチウムの買収に関心を示していることを確認しました。この取引が成立すれば、リオ・ティントは世界最大級のリチウム生産企業の一つになる可能性があります。リオ・ティントは10月7日に声明を発表し、「今回のアプローチは非拘束的であり、取引が合意に至るかは不確定である」と説明しました。アルカディウム側も交渉が進行中であることを別途発表しています。

市場の変動に直面する中での戦略的動き

アルカディウムは、今年初めにオーストラリアのリチウム生産企業オールケムと米国の化学大手リベントが合併して誕生した企業であり、2027年までに世界第3位のリチウム生産企業になると予測されています。2024年上半期にはリチウム水酸化物とリチウム炭酸塩を20,100トン販売し、2026年までに生産能力を17万トンのリチウム炭酸塩換算(LCE)に拡大することを目指しています。しかし、リチウム市場の低迷により、同社は西オーストラリア州にあるMt Cattlin鉱山での一部操業を停止するなど、いくつかの拡張プロジェクトを中断せざるを得ませんでした。

一方、リオ・ティントは近年、リチウムポートフォリオを拡大しており、昨年末にはオーストラリアのチャージャー・メタルズ社のリチウムプロジェクトへの出資を発表しています。同社はまた、アルゼンチンにおいてバッテリー級リチウム炭酸塩の処理プラントを建設しており、今年末までに稼働を開始する予定です。このアルカディウム買収が成立すれば、リオ・ティントはEV市場における主要な供給者としての地位をさらに強化することになるでしょう。

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