ICSG、2024年の銅生産と使用量予測を大幅に上方修正



国際銅研究グループ(ICSG)、2024年の世界精製銅供給余剰の予測を約190%上方修正しました。これは、予想以上の精製銅生産量の増加によるものです。ICSGの最新の世界精製銅バランス予測によれば、今年の供給余剰は469,000トンに達する見込みで、4月の162,000トンから大幅に増加しています。

銅鉱山生産と精製銅生産の増加

ICSGは、2024年の世界鉱山生産予測を22.75百万トンに引き上げ、成長率を1.7%としています。4月の予測では成長率は0.5%とされていました。今回の上方修正は、新規および拡張プロジェクトからの追加生産に起因しており、一部はパナマのCobre鉱山閉鎖による330,000トンの減少で相殺されました。

2025年には銅鉱山生産は3.5%増加すると予測されていますが、これは以前の3.9%増加予測よりやや低い水準です。成長を牽引するのは、コンゴ民主共和国のKamoa-Kakula鉱山やモンゴルのOyu Tolgoi鉱山、そしてロシアのMalmyzhskoye鉱山の稼働開始です。

世界の精製銅生産量は今年4.2%増の27.62百万トンに達する見込みで、前回の2.8%成長予測を上回っています。昨年のメンテナンスや事故による停止からの回復と、コンゴ民主共和国や中国の新規および拡張プラントからの追加生産が成長に寄与する見通しです。しかし、2025年の精製銅の成長率は、原料供給の制限により1.6%にとどまると予想されています。

需要動向と銅使用量の予測

ICSGは2024年の世界精製銅使用量予測も上方修正し、今年は27.15百万トンに達する見込みです。これにより、成長率は2.2%となり、以前の2%からわずかに上昇しています。2024年には中国の使用量が約2%増加し、2025年には1.8%の成長が予測されています。中国を除く世界の使用量は2024年に2.4%、2025年には3.7%の増加が見込まれています。

ICSGによると、主要国のインフラ開発やクリーンエネルギー、電気自動車への移行が、今後も長期的に銅需要を支えるとしています。

2025年の世界精製銅バランスの予測では、194,000トンの供給余剰が見込まれており、以前の94,000トンの余剰予測を上回っています。

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