NdFeB磁石の需要拡大、新エネルギー車が主導

中国希土類学会(CSRE)

高性能のネオジム鉄ボロン(NdFeB)磁石の需要が今後数年間で増加すると予測されており、新エネルギー車(NEV)や風力発電機、インバーター式エアコン、エネルギー効率の高いエレベーター、永久磁石モーター、産業用ロボットなどの主な用途からの堅調な需要が背景にあります。中国希土類学会(CSRE)の顧問である張安文氏によると、2023年の推定需要10,000トンから、2030年には年間40万トンに達する見込みです。

中国の生産能力の急成長

中国では、NdFeB永久磁石材料の生産が2023年に27万トンに達し、前年と比べて18%増加しました。この生産量は、2025年の14万トンから大幅に増加しています。また、焼結NdFeB磁石の生産量も2023年には255,200トンとなり、2019年の17万トンから順調に増加しています。中国のサマリウム・コバルト(SmCo)磁石の生産量も同様に増加しており、2023年には3,723トンに達しました。

電動車産業が需要の牽引役

高性能NdFeB磁石の最大の消費者は電動車産業で、世界の磁石需要の30%を占めています。インバーター式エアコンと産業用ロボットがそれぞれ16%、風力発電機が12%を占めるなど、様々な産業がこの磁石材料に依存しています。2023年、中国の自動車産業におけるNdFeB永久磁石材料の需要は36,200トンに達し、電子パワーステアリング(EPS)システムの需要も推定12,000トンとされました。

さらに、中国の産業用ロボットの生産量は2023年には43万台に達し、世界生産の72%を占めています。エレベーター産業やインバーター式エアコン業界でも、NdFeB磁石の消費量が増加しており、特にエレベーター産業では2023年には8,600トンに達しました。希土類原料の供給が豊富であることや、磁石需要の高まりにより、2023年の中国の希土類酸化物(REO)の生産量は33万7,300トンとなりました。

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