イースタンプラチナム |
南アフリカのプラチナグループメタル(PGM)生産企業であるEastern Platinum(イースタンプラチナム)は、10月3日、同社のクロコダイルリバー鉱山にて新たなPGM処理施設の稼働を開始したと発表しました。これにより、イースタンプラチナムは従来の尾鉱貯蔵施設を利用したクロム回収事業から、PGM精鉱およびメタルクロム精鉱の生産企業へと転換する重要な節目を迎えました。
生産能力の強化
イースタンプラチナムのCEOであるワンジン・ヤン氏は、PGM市場の成長を見据えた戦略的なシフトだと説明しています。同社は10月初めまでに75,000トンの原鉱石を採掘し、9月には22,000トンを処理しました。その結果、プラチナ、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、金を含む約1,300オンスの6E PGM精鉱を生産し、南アフリカのPGM生産企業インパラプラチナへ出荷しました。これは、イースタンプラチナムの子会社であるバープラッツマインズがインパラプラチナと結んでいる既存のオフテイク契約に基づくものです。
クロコダイルリバー鉱山は、世界有数のPGM鉱石が存在するブッシュフェルト複合岩体に位置しており、多くの主要PGM鉱山が集まる地域です。イースタンプラチナムは、2023年末までにザンドフォンテイン地下鉱区で月間40,000トンの鉱石を生産する計画で、2025年末までに月間70,000トンに増産する予定です。新しい処理施設は、年間1,000,000トンの鉱石処理能力を持ち、今後の需要増加に対応します。
同社は今年末までに、ザンドフォンテインから185,000トンの原鉱石を採掘および処理する予定です。この動きは、イースタンプラチナムがPGM業界での地位を強化する意欲を示しており、地域経済にとっても重要な役割を果たすと期待されています。