ブラジルの鉱山会社セラ・ベルデ(Serra Verde)は、持続可能なレアアース元素(REE)の生産を推進するため、1億5000万ドルの資金を確保しました。この投資は、米国のエネルギー&ミネラルズ・グループ(Energy and Minerals Group)と英国のビジョンブルーリソース(Vision Blue Resources)、さらにデンハム・キャピタル(Denham Capital)によって主導され、同社の運営能力を強化し、長期的なレアアース供給網の拡大を目指します。
この資金調達は、14カ国と欧州連合(EU)が参加するグローバルプロジェクト「鉱物安全保障パートナーシップ(MSP)」と整合しています。MSPは、世界的なエネルギー転換を支えるため、重要エネルギー鉱物の供給網開発を加速させることを目標としています。
アジア以外で先駆けるレアアース生産
セラ・ベルデは、ブラジル中西部ゴイアス州に位置し、今年から商業生産を開始しました。同社は、アジア以外での大規模なレアアース運営として初めて認知され、米国地質調査所(USGS)によると、世界第3位の埋蔵量である推定2100万トンのブラジルの資源を活用しています。
セラ・ベルデ鉱床には、ネオジム、プラセオジム、テルビウム、ジスプロシウムなど、軽希土類と重希土類の両方が多く含まれています。これらの重要鉱物は、風力タービン、電気自動車、高性能磁石などのクリーンエネルギー技術の製造に不可欠です。
持続可能なレアアース供給への貢献
レアアースの需要が世界的に増加する中、この投資によりセラ・ベルデは、アジア主導市場への依存を減らし、レアアース供給網を多様化する重要なプレーヤーとしての地位を確立します。また、持続可能な生産手法への注力は、鉱業界における環境・ガバナンス基準の向上とも一致します。
セラ・ベルデの事業拡大により、ブラジルはレアアースの重要な供給国としての地位を固め、世界のエネルギーおよび技術の進歩に貢献しています。