リオ・ティント |
リオ・ティントは、2024年の第3四半期において銅および一次アルミニウムの生産が減少したものの、全体の生産量は前年同期比で増加したと報告しています。
銅の生産は減少、ケネコット鉱山での問題が影響
2024年の第3四半期、リオ・ティントの銅の採掘量は前年同期比で1%減少し、167,800トンとなりました。この減少の主な原因は、アメリカのケネコット鉱山で発生した地盤の動きにより、高品位鉱石へのアクセスが制限され、低品位鉱石を使用せざるを得なかったことです。しかし、チリのエスコンディダ鉱山では鉱石の品位が向上し、15%の生産増となり、モンゴルのオユトルゴイ鉱山では19%の増産が見られました。
2024年1月から9月までの銅の採掘量は、前年同期比で8%増加し、494,700トンに達しました。精製銅の生産量は、第3四半期に前年同期比で59%増加し、54,300トンとなり、ケネコット鉱山での精錬所と製錬所の再建により、129%の増加が実現しました。一方で、エスコンディダ鉱山では鉱石の品位が低下し、24%の減少となっています。全体として、2024年1月から9月までの精製銅の生産量は39%増加し、179,600トンとなりました。
アルミニウムの生産減少、ニュージーランドでの計画中止が影響
リオ・ティントの第3四半期における一次アルミニウムの生産量は、前年同期比で2%減少し、809,000トンとなりました。また、前四半期に比べても2%減少しました。しかし、2024年1月から9月までのアルミニウムの生産量は1%増加し、2.46百万トンとなっています。ニュージーランドのニュージーランドアルミニウム精錬所では、メリディアンエナジーが進めていた600MWの再生可能水素およびアンモニアプロジェクトの計画を経済的な理由で中止したため、生産に影響が出ました。しかし、リオ・ティントはティワイ半島にある精錬所を2025年第2四半期までに再稼働させる計画です。
また、リオ・ティントは2024年8月にオーストラリアのクイーンズランド州政府と、再生可能エネルギーへの転換を支援するためのパートナーシップを結び、ボーイン精錬所の将来を守るための投資を行うことを決定しました。
ボーキサイト生産の増加
リオ・ティントは、第3四半期においてボーキサイトの生産量が前年同期比で8%増加し、15.1百万トンに達したことを報告しています。この増加は、アムルン鉱山(オーストラリア、ウェイパでの操業)での生産性向上に起因しています。リオ・ティントは2021年に導入した安全生産システムを活用しており、データを用いてメンテナンスのスケジューリングを最適化し、生産のボトルネックを解消しています。2024年1月から9月までのボーキサイトの生産量は、前年同期比で9%増加し、43.2百万トンとなっています。
2024年の見通し
リオ・ティントは2024年の銅の採掘量について、660,000トンから720,000トン、精製銅の生産量については230,000トンから260,000トンを見込んでおり、今後の生産の安定を示唆しています。