アペラム、米国航空宇宙市場進出のためUSAPを4億1500万ドルで買収

アペラム(Aperam)


ルクセンブルク拠点の大手ステンレスメーカー**アペラム(Aperam)は、ペンシルベニア州に本社を置くユニバーサル ステンレス アンド アロイ プロダクツ(USAP)**を約4億1500万ドルで買収すると発表しました。この買収は、アペラムが米国の航空宇宙市場に参入するための重要な一手とされています。

買収の詳細

アペラムは、USAPの株式を1株45ドルで取得する予定で、この取引は2025年第1四半期に完了する見込みです。同社のCEOであるティモテオ・ディ・マウロ氏は、今回の買収によりアペラムが「高品質でハイエンドなステンレスソリューション」を提供し、航空宇宙分野でのプレゼンスを確立することを目指していると述べました。

買収後もUSAPは独立した企業として存続し、組織再編は行われないとのことです。ディ・マウロ氏は、航空宇宙分野が持つ長期的な受注期間と複雑なサプライチェーンが、アペラムの通常の合金市場とは異なる特性を持っていることを強調しました。

欧州勢による米国航空宇宙市場への関心

今回の買収は、2024年における欧州勢による米国航空宇宙市場への2度目の進出です。今年2月には、スペインの製鉄大手**アセリノックス(Acerinox)が、米国の高性能合金メーカーヘインズインターナショナル(Haynes International)**を1億4770万ドルで買収する計画を発表しました。ただし、この取引は英国およびオーストリアの独占禁止規制当局の承認待ちのため、第4四半期まで完了が遅れています。

航空宇宙分野への期待

航空宇宙産業は高性能な素材の需要が増加しており、今回の買収によりアペラムはその成長市場で競争力を強化する狙いがあります。高品質なステンレス製品とニッケル合金のノウハウを活かし、アペラムは新たな顧客層を開拓しつつ、航空宇宙および防衛分野におけるプレゼンスを拡大する方針です。

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