リナス社、西オーストラリア州カルグーリーに国内初のレアアース加工施設を正式開設

リナス社

オーストラリアの大手レアアース生産企業であるリナス・レアアース社は、西オーストラリア州カルグーリーにおいて国内初の完全稼働型レアアース加工施設を正式に開設しました。この画期的なプロジェクトにより、オーストラリアはレアアース加工の能力を大幅に強化し、世界市場での地位を高めることが期待されています。

同施設は総額8億豪ドル(約530百万米ドル)の投資を受けており、ネオジム・プラセオジム(NdPr)の生産を年間9,000トンに達する処理能力を目標としています。NdPrは、電気自動車(EV)やその他のハイテク産業に使用されるレアアース磁石の重要な原料です。現在、この施設で生産された混合レアアース炭酸塩は、リナス社のマレーシア工場に出荷されており、将来的にはアメリカの新設施設にも供給される予定です。

NdPrの生産量増加とさらなる拡張計画

リナス社は2024年第3四半期において、マレーシア工場でのNdPr酸化物の生産量が1,677トンに達したと報告しました。これは、第2四半期の1,504トン、2023年第3四半期の1,526トンを上回る成績です。カルグーリー施設の稼働は、同社の生産能力をさらに向上させ、世界的な需要に応える基盤となります。

また、マレーシア工場では大規模な拡張計画が進行中です。同工場では、2025年までにディスプロシウムとテルビウムの生産を開始する予定であり、これらは高性能永久磁石の製造に欠かせない材料です。さらに、新たに改修される回路では、年間1,500トンの重レアアース混合物の分離処理が可能となります。

リナス社のグローバル展開とその意義

中国以外のレアアース主要生産企業として、リナス社は世界的な供給網の多様化において重要な役割を果たしています。カルグーリー施設の稼働は、オーストラリアが信頼性の高いレアアース供給国としての地位を強化する一方で、EVや再生可能エネルギーなどの先進技術の発展を支える重要な要素となります。

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