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Clean Energy Finance Corporation |
オーストラリア政府は、フランスの再生可能エネルギー企業ネオエン(Neoen)が進める3つの大規模な再生可能エネルギーおよび蓄電プロジェクトに対し、1億オーストラリアドル(約6,320万米ドル)の資金提供を決定しました。この投資は、同国が化石燃料依存を減らし、再生可能エネルギーインフラを拡大する取り組みの一環です。
蓄電と太陽光発電に焦点を当てた取り組み
支援対象となる3つのプロジェクトには以下が含まれます:
- 西オーストラリア州での341MW規模のバッテリーエネルギー貯蔵システム(BESS)。
- クイーンズランド州での270MW規模のBESS。
- ニューサウスウェールズ州での440MWピーク規模の太陽光発電所。
これらのプロジェクトは、再生可能エネルギー発電と大規模蓄電ソリューションを統合し、オーストラリアのエネルギー安全保障を強化することを目的としています。特に、西オーストラリアのBESSは、現在運用中のコリー・バッテリーエネルギー貯蔵システム(219MW)を拡張する形で計画されており、両システムが完全稼働すれば、同州の平均エネルギー需要の約20%をサポートできる見込みです。
ニューサウスウェールズ州の「カルケアン太陽光発電所」は、2026年までに年間800GWhの発電を開始する予定で、1,000ヘクタールの広大な敷地をカバーします。同施設にはBESSの設置も検討されていますが、現時点では公式な発表はありません。
クリーンエネルギー・ファイナンス・コーポレーション(CEFC)の役割
この資金は、オーストラリアの国営グリーン投資ファンドであるクリーンエネルギー・ファイナンス・コーポレーション(CEFC)から提供されます。CEFCはこれまでに、オーストラリア全土で計2.3GWの蓄電プロジェクトに資金を供給しており、同国のクリーンで持続可能なエネルギー網への移行において重要な役割を果たしています。
豪州の再生可能エネルギー成長
オーストラリアでは、再生可能エネルギーによる発電が急増し、2023年には国全体の総発電量の25%を占めるまでに成長しました(2017年時点では17%)。一方で、ガスと石炭の発電比率は同期間に81%から63%へと減少しました。この変化は、エネルギー部門の脱炭素化とエネルギーレジリエンスの確保を目指す政府の気候目標と一致しています。
今回のネオエンへの支援決定は、オーストラリア政府が穀物加工大手GrainCorpと燃料会社Ampolに対し、持続可能な航空燃料および再生可能ディーゼルの開発促進のために1,410万オーストラリアドルを割り当てた翌日に行われました。
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