ステランティスとCATL、スペインに41億ユーロのバッテリー工場を建設へ

Stellantis

フランス・イタリア・アメリカの大手自動車メーカーであるステランティス(Stellantis)と、中国のバッテリー業界リーダーであるCATL(Contemporary Amperex Technology Co. Ltd)が、スペイン・サラゴサにリチウム鉄リン酸塩(LFP)バッテリー製造施設を共同で建設する計画を発表しました。このプロジェクトは、総額41億ユーロ(約43億ドル)を投じ、2026年末までに稼働開始を予定しています。工場の年間生産能力は50GWhに達する見込みで、平均50kWhのバッテリーパックを基準とした場合、年間約100万台の電気自動車(EV)に供給可能です。


戦略的拡大と将来目標

今回のプロジェクトは、以前に締結されたステランティスとCATL間の予備合意を基に、両社の協力関係をさらに強化するものです。新工場は、1982年以降に1,400万台以上のオペル(Opel)およびシトロエン(Citroën)車両を生産してきたステランティスの既存のサラゴサ工場の隣接地に設置されます。この施設は、ステランティスの電動化戦略を支える重要な一歩と位置づけられています。

一方、CATLはドイツとハンガリーに2つのバッテリー工場を運営しており、さらにハンガリーで新たな施設を建設中です。この合弁事業には、同社の豊富な専門知識と生産能力が大きく寄与すると期待されています。


市場動向と企業展望

ステランティスは、最近の欧州および米国市場での販売減少や中国のEVメーカーとの激しい競争などの課題に直面しています。その一環でCEOのカルロス・タバレス氏が辞任する事態にも見舞われましたが、それでも同社は電動化戦略を堅持しています。同社は2030年までに欧州でのEV販売比率を100%、米国で50%に引き上げることを目標としています。これは、市場の変化に対応し、世界のEV市場におけるシェアを拡大するための包括的な戦略の一環です。また、サムスンSDI、トタルエナジーズ、メルセデス・ベンツ、Leapmotorなどとの共同事業も、こうした取り組みを支える重要な要素です。

コメントを投稿