2025年2月24日現在、金価格は1トロイオンスあたり2,950ドルを超え、3,000ドルの大台突破が目前となっています。2024年には、地政学的緊張やインフレへの懸念から、金価格は年間で25%以上上昇しました。2025年もこれらの要因が継続しており、投資家は安全資産としての金に注目しています。
3月以降も金価格は上昇か
短期的には、C3ブルリオンの最高投資責任者であるルチアノ・ドゥーケ氏は、3月にかけて金価格の上昇余地があると述べています。同氏は、「現在のニュースや貿易戦争の影響で、大幅な調整の可能性は低下している。調整があっても軽微で短期間となり、その後は緩やかな上昇トレンドに戻るだろう」と分析しています。
大手金融機関の見通し
一方、ゴールドマン・サックスやUBSなどの大手金融機関は、2025年末までに金価格が3,100ドルから3,200ドルに達すると予測しています。これらの予測は、中央銀行による金の需要増加や、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ期待、米国政府の債務拡大といった要因を背景としています。特に、中央銀行の金購入は、ドルからの分散を図る動きとして注目されています。
金価格の上昇ペースは鈍化?
しかし、金価格の上昇ペースは2024年ほど急激ではないとの見方もあります。フィナンシャル・タイムズの調査によれば、2025年末までに金価格は約2,795ドルに達すると予想されており、現在の水準から約7%の上昇となります。この予測は、中央銀行の金購入やFRBの利下げ期待、地政学的リスクなどを考慮したものです。
米国の関税政策と地政学リスクの影響
さらに、米国の関税政策や地政学的緊張が金価格に影響を与える可能性があります。例えば、米国の関税政策は、世界的な貿易摩擦を引き起こし、経済の不確実性を高める要因となっています。このような状況下で、投資家はリスク回避の手段として金を選好する傾向があります。
まとめ
総合的に、2025年の金価格は引き続き上昇傾向が予想されますが、そのペースや最終的な価格水準は、経済政策や地政学的要因、中央銀行の動向など、多岐にわたる要因によって左右されるでしょう。2025年末までに金価格は3,000ドルを超える可能性があり、投資家は引き続き金市場の動向に注目しています。