カザフスタン産業・建設省は、国内鉄鋼メーカー向けの原材料確保を目的として、スクラップ金属の輸出禁止措置をさらに6カ月延長する方針を示した。1月24日に公開された草案では、鉄・非鉄スクラップ、使用済みパイプ、鉄道レール、貨車などの輸出が禁止される。正式発表から10日後に施行される予定だ。
国内鉄鋼業の強化を狙う措置
同省は、カザフスタンの製鉄企業に原材料を安定供給することが、この決定の主な目的であると説明。特に、二次金属の国内加工を最大化し、高付加価値製品の生産を促進することで、環境目標の達成やエネルギー消費の削減を目指す。
スクラップ輸出規制は7年前に初めて導入され、一部例外として、ユーラシア関税同盟(EAEU)加盟国であるロシア向けの輸出は引き続き許可されている。
鉄鋼半製品の輸出禁止も12月から適用
加えて、カザフスタン政府は2024年12月1日から、スチールビレット(HS 7206)および鉄鋼半製品(HS 7207)の輸出禁止措置を導入する。禁止期間は6カ月間で、すべての輸送手段による輸出が対象となる。この規制は、国内での鋼材製品の生産を促進し、鉄鋼産業の競争力を強化することを目的としている。
カザフスタンの鉄鋼生産は2024年に9.5%増加
こうした政策の背景には、鉄鋼業の成長戦略がある。GMK Centerの報告によると、2024年のカザフスタンの粗鋼生産量は前年比9.5%増の417万トンに達した。また、Qarmet製鉄所では、鋼材生産が目標を15%超過、コークスが18%、焼結鉱が12%、圧延品が17%と、それぞれ大幅な生産増を記録している。
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