BHP、FY25好調なスタート—鉄鉱石・銅の成長を強調

BHP

BHP(ASX: BHP)は、FY25(2024/25年度)上半期の高リスク事故頻度がFY24下半期比で約54%減少し、FY25第2四半期にはゼロを記録したと発表した。

BHPは、世界的なメガトレンドに関連する商品ポートフォリオに支えられ、今後も競争優位性を維持できるとの見通しを示した。同社は、人口増加、データセンターとAIの成長、エネルギー転換が鉄鋼・非鉄金属・肥料の需要を牽引すると指摘している。

世界経済の回復とBHPの成長戦略

BHPによると、2024年の先進国の工業活動は低迷が続いたが、OECD諸国では鉄鋼・銅需要の回復が近いと予測されている。ただし、貿易摩擦の影響が回復のリスクとなる可能性もある。

マイク・ヘンリーCEOは、「中国経済の構造転換は、将来的に“次世代資源”への需要を加速させる可能性がある」と述べた。同氏はまた、「BHPは、強固なバランスシート、技術力、持続可能な経営を活かし、成長と安定した株主還元を実現する」と強調した。

FY25上半期の好調な財務実績を受け、同社は中間配当を1株当たり0.50ドル(総額25億ドル)と発表した。

WAIOと銅事業の拡大—成長戦略を推進

BHPは、WAIO(西オーストラリア鉄鉱石事業)の生産量を中期的に3億500万トン以上(100%ベース)に引き上げる計画を進めている。2024年に稼働した港湾能力拡張プロジェクト1(Port Debottlenecking Project 1)や鉄道技術プログラムが、この成長を支えている。

さらに、市場環境が許せば、生産量を最大3億3,000万トンまで拡大する可能性を検討中で、鉱山・インフラの最適化や選鉱の強化を含めた調査を2025年中に完了する予定だ。

銅事業では、FY22~FY24で生産量を19%増加させた後、FY25上半期にはさらに10%増加。エスコンディーダ鉱山(チリ)では10年ぶりの最高生産量を記録した。

BHPは南オーストラリア銅資産の拡張を進めており、2030年代初頭までに年間50万トン超、2040年代半ばには最大65万トンの生産を目指している。OD DeepsおよびOak Damでの探鉱成功がこれを後押ししている。

組織変更—新会長の就任へ

BHPは、2025年3月31日付でロス・マキューアン氏が現会長のケン・マッケンジー氏の後任に就任すると発表した。

ヘンリーCEOは「ケンの貢献に感謝するとともに、ロスのリーダーシップに期待している」と述べた。

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