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Blastr Green Steel |
資金調達の概要と新規投資家の参入
今回の資金調達には、Blastrの創設投資家3社に加え、新たにフィンランドの投資家3社が参加した。初回の資金調達は2024年6月に実施されている。S&Pグローバル・コモディティ・インサイツの取材に対し、Blastrはこれまでの調達額を明らかにしなかったものの、プロジェクト全体で約40億ユーロ(49.6億ドル)の投資が必要になると確認した。
Blastrは、直接還元鉄(DRI)を電炉(EAF)で精錬する低炭素製鉄所をフィンランド・インコーに建設する計画だ。年間250万トンの低炭素鉄鋼を生産し、さらに600万トンのDRペレットを供給するペレットプラントの建設も計画している。現在、DRIプラントの適地を探しており、英国での建設も検討中であると同社の広報担当者が明らかにした。
新規投資家には、北欧の電力網資産開発を手掛けるAurora Infrastructure、持続可能な成長支援を行う家族経営企業Onvest Oy、環境投資を専門とするSecurity Trading Oyが名を連ねる。
また、既存投資家であるコモディティ大手のカーギル(Cargill)、フィンランド政府系ベンチャーキャピタルTesi、Blastrの親会社Vanir Green Industriesも出資比率を引き上げたが、増資規模は公表されていない。
環境評価とフィンランド経済への影響
Aurora InfrastructureのCEOロビン・リンダール氏は、「Blastrのグリーンスチールプロジェクトは、フィンランドの持続可能な未来への移行を加速させる重要な産業投資だ」とコメント。また、「インコーは既存のインフラと戦略的立地により、こうしたプロジェクトに最適な場所であり、当社はこれまでフィンランド最大級の産業拠点を支援してきた実績がある」と述べた。
Blastrは2024年末、インコー製鉄所に関する環境影響評価(EIA)報告書をフィンランド当局に提出。報告書では施設の持続可能な開発が可能であることが確認され、同社は2025年に環境許可申請を行う予定だ。
グリーンスチールの需要が高まる中、Blastr Green Steelは鉄鋼業界の変革を牽引し、フィンランド経済の成長にも貢献することが期待されている。S&Pグローバル・コモディティ・インサイツ傘下のPlattsによると、1月31日時点の北西欧ホットロールドコイル(HRC)のカーボンアカウンテッド価格は、ルール工場渡しで1トン当たり655ユーロと、前日比で横ばいとなった。