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ArcelorMittal |
アルセロール・ミッタルは、米国アラバマ州に最先端の無方向性電磁鋼(NOES)製造施設を建設する計画を正式に発表した。
この新施設はアルセロール・ミッタルが全額出資するもので、年間最大15万トンのNOESを生産可能となる。製品の用途は、自動車・モビリティ分野、再生可能エネルギー発電、電動モーターや発電機などの産業用途まで幅広い。同プロジェクトは米国の製造業競争力を強化し、NOESの国内生産拡大を通じて輸入依存を低減することを目的としている。建設開始は2025年後半、稼働開始は2027年を予定しており、建設期間中に最大1,300人の雇用を創出し、操業後は200人以上の恒久的な雇用を提供する見込みだ。
アルセロール・ミッタル・ノースアメリカのCEO、ジョン・ブレット氏は「この重要な素材の国内供給網を強化し、持続可能な形で確立することが重要だ」と述べ、アラバマ州のケイ・アイビー知事や商務長官のエレン・マクネア氏、モービル郡の関係者らの支援に感謝の意を示した。
アイビー知事は、「アルセロール・ミッタルの12億ドルの投資は、アラバマ州の鉄鋼産業の地位を強化すると同時に、電動モーターや再生可能エネルギー技術の革新を促進するものだ」とコメントし、200人以上の新規雇用創出と州経済への貢献を強調した。
アラバマ州のケイティ・ブリット上院議員は、「アラバマ州の鉄鋼産業は、我々の産業的アイデンティティの基盤である。この投資は、国内供給網を強化し、"メイド・イン・アメリカ"の新時代を切り開く」と述べ、国家安全保障の観点からも評価した。
バリー・ムーア下院議員は「アルセロール・ミッタルの12億ドルの投資は、アラバマ州南部の経済成長をさらに加速させる」とし、企業と協力して地域発展を支援する意向を示した。
商務長官のエレン・マクネア氏は、「この成長プロジェクトは、電気自動車や省エネ技術の分野に貢献し、高品質な雇用を創出する」とし、同州のビジネス環境の優位性を強調した。
モービル郡委員会のメルセリア・ラッドグッド委員長も、「アルセロール・ミッタルの投資により、新たな高収入雇用が生まれ、モービル郡が先進製造業と持続可能技術の拠点となる」と期待を寄せた。
同社の北米CMO、ピーター・ルブラン氏は、「NOESの高品質な国内供給を確保し、メーカーがサプライチェーンの課題を克服できるよう支援する」と述べ、新工場の意義を強調した。
新施設には、アニール・酸洗ライン、冷間圧延ミル、アニール・コーティングライン、包装・スリッターラインなど、電磁鋼の製造に必要な設備が導入される予定だ。施設は、アルセロール・ミッタルと日本製鉄の合弁会社「AM/NSカルバート」の近隣に位置し、最新鋭の鉄鋼製造設備を備える。
アルセロール・ミッタル・カルバートは、世界60カ国に展開し、15カ国で粗鋼を生産するアルセロール・ミッタルの完全子会社である。2024年の同社の売上高は624億ドル、粗鋼生産量は5,790万トン、鉄鉱石生産量は4,240万トンに達した。