ウクライナ和平の鍵となるレアアース資源

ゼレンスキ, トランプ

ウクライナ戦争終結に向けた国際的な交渉において、レアアースや重要鉱物資源が主要な議題として浮上している。米国、ウクライナ、ロシア、EUなどが関与する外交交渉の中心に、これらの鉱物資源が位置付けられた。

2月25日、ウクライナのゼレンスキー大統領が今週中にワシントンを訪問し、米国との枠組み合意に署名する見通しであることが報じられた。この合意は、ウクライナのレアアースを含む重要鉱物資源、石油、天然ガスの共同開発を対象としており、広範な経済協定の一環とされる。ただし、米国からの安全保障保証や追加軍事支援が含まれるかは不明だ。

トランプ大統領は2月3日に「ウクライナへの支援と引き換えにレアアース資源の確保を目指す」と発言しており、この構想が具体化した形だ。しかし、当初米国が求めた5,000億ドル相当の収益権を巡る対立があり、ウクライナ側の反発を招いていた。最終的な合意案では、国家資源の将来的な収益の50%をウクライナがファンドに拠出し、同国の経済発展に投資する形に修正された。

一方、ロシアのプーチン大統領は2月24日、レアアース開発に関するハイレベル会合を主催し、米国に対しロシアの資源開発への参加を提案した。ロシアは世界第5位のレアアース埋蔵量(380万トン)を誇り、主要企業は国営企業ロスアトムの管理下にある。プーチン氏は、ロシア占領下のウクライナ東部ドンバス地域の資源も含めた交渉に言及し、米国とウクライナの合意を揺さぶる狙いとみられる。

EUもウクライナとの連携を強化しており、2月24日、欧州委員会のフォン・デア・ライエン委員長が訪問した際、2021年締結の重要鉱物分野の協力覚書の加速を表明した。EUは30種類の重要鉱物のうち21種類をウクライナから供給可能とし、「相互利益に基づくパートナーシップ」を強調した。

ウクライナには、米国が「国家安全保障上重要」と定義する50種類の鉱物のうち半数が存在し、リチウムやチタン、鉄鉱石、石炭、石油・天然ガスといった資源が豊富だ。米国との合意により、ウクライナの経済的自立が進む一方、実質的な安全保障の裏付けがないことが懸念される。

今後、米国、EU、ロシアの思惑が交錯する中、ウクライナの鉱物資源を巡る国際交渉は、戦争の行方を左右する重要な要素となる。

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