2025年の世界の銅鉱山生産量は前年比3%増にとどまる見通しだ。既存鉱山の増産と、新規鉱山の稼働(チリ、コンゴ民主共和国〈DRC〉、中国)が成長を支えるが、鉱石品位の低下、資金調達の制約、エネルギー供給の問題、規制の複雑化、悪天候、社会的不安が2026年までの成長の足かせとなる可能性がある。
しかし、オーストラリアやラテンアメリカなどの銅主要地域で探鉱活動がわずかに活発化しており、一定の希望が見えている。また、トランプ政権の貿易関税政策や、中国の電気自動車(EV)市場の成長も銅需要を押し上げる要因となりそうだ。
オーストラリア産業・科学・資源省(DISR)が2024年12月に発表した「資源・エネルギー四半期報告書」によると、2024~25年度のオーストラリアの銅鉱山生産量は80万tと予測され、前年より1%増加する見込みだ。2025~26年度にはさらに2.6%増の82万1,000tに達すると予測されている。
世界の鉱山生産量は2024年1〜9月に1,680万tとなり、前年同期比2.4%増加した。国別ではチリが2%増、DRCが9.6%増、インドネシアが6.9%増と、いずれも生産拡大を記録した。
「この成長は、チリの主要鉱山の生産回復、インドネシアの供給制約の改善、DRCでの電力供給向上が要因だ。一方、ペルーの生産量は0.6%減少しており、地域住民の抗議活動による鉱山封鎖や天候要因が影響した」とDISRは報告している。
Tags
NONFE