韓国亜鉛、輸出規制下で重要金属の供給網確保へ

Korea Zinc

米中貿易摩擦が希少金属の輸出規制に発展する中、韓国亜鉛(Korea Zinc)は、重要鉱物の供給網安定化において戦略的役割を強めている。

2月4日、中国政府は、タングステン、モリブデン、インジウム、ビスマス、テルルの5種類の重要金属に対する輸出規制を即時実施すると発表した。これは、同日発効したドナルド・トランプ前米大統領による対中輸入品への追加10%関税への対抗措置とみられる。

これを受け、重要金属の供給網強化が改めて注目される中、韓国亜鉛は、規制対象となった5種類のうちインジウム、ビスマス、テルルの3種類を国内で生産する唯一の企業として、その重要性が一層高まっている。

韓国亜鉛の年間インジウム生産量は150トンで、世界需要1,400トンの約11%を占める。インジウムは、モニターやタッチパネルに使用されるインジウム・スズ酸化物(ITO)や、太陽光パネル、LEDなど幅広い用途で使用される重要素材だ。同社はさらに、ビスマスを年間900~1,000トン、テルルを100~200トン生産している。

また、同社はこれら3種類の希少金属に加え、年間約1億2,000万トンに及ぶ10種類以上の非鉄金属を生産。世界各地の鉱山から調達した亜鉛や鉛の精錬過程で、自社独自技術を用いて希少金属を抽出している。

韓国亜鉛の広報担当者は、「一部の重要金属は生産国が限られているため、安定した供給網の確立において韓国亜鉛の役割は非常に重要だ。当社は、世界的な供給不足の中でも国内産業への安定供給を継続している。希少金属の重要性を早くから認識し、生産量を増加させてきた」と述べた。

同社は、2024年9月の中国によるアンチモン輸出規制の際にも、国内供給を維持し、その生産能力の高さを実証している。

現在、韓国亜鉛は、インジウム、ビスマス、テルルの国内生産をさらに拡大する方針を示している。韓国の対中国依存度は、インジウム92.8%、ビスマス95.8%、テルル61.2%と高く、自国生産の拡大が急務とされる。

韓国亜鉛は、世界有数の非鉄金属製錬・精製企業として、世界の鉱山から調達した原料を加工し、ハイテク産業に不可欠な金属や希少元素を供給している。また、製造副産物から有価金属を回収する独自技術を活用し、業界のリーダーとしての地位を確立している。

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