西オーストラリア州、リチウム副産物の活用を模索

リチウム

西オーストラリア州政府は、リチウム精製の副産物を活用する新たな可能性を探るプロジェクトを開始した。

本プロジェクトでは、州政府が業界団体や企業と連携し、リチウム鉱石の処理過程で発生する副産物「脱リチウムβスポジュメン(DBS)」を道路建設資材として利用できるかを評価する。未採掘の天然砂の代替材料としての性能を分析し、環境安全性を確認することが目的だ。

西オーストラリア州のデビッド・マイケル鉱業・石油大臣は、「クリーンエネルギー移行が加速する中、重要鉱物の需要は今後ますます拡大する。資源とその下流加工に関連した革新的な循環型経済のアプローチを発展させることは、西オーストラリア州にとって大きな機会となる」と述べた。

さらに、「持続可能性の向上と温室効果ガス排出削減を目指す世界の政府、クリーン製品を求める社会の要求に応えるため、業界はこれまで以上に持続可能な製造と循環型経済の最前線に立たねばならない」と強調した。

この取り組みは、西オーストラリア州化学研究所(ChemCentre)および西オーストラリア鉱物研究所(MRIWA)が監修したWilman Wadandi HighwayでのDBS使用実証実験を基盤としている。

リース・ウィトビー環境大臣は、「本プロジェクトを通じて、DBSの活用を『2030年廃棄物回避・資源回収戦略』と整合させ、資源回収の促進と循環型経済の支援を目指す」と述べた。また、「このプロジェクトの成果は、埋立依存の低減、二酸化炭素排出削減、環境負荷の最小化に寄与する」と期待を寄せた。

この取り組みには、西オーストラリア州の雇用・観光・科学・革新局、水・環境規制局、MRIWA、Main Roads Western Australia、ChemCentre、および州内の主要リチウム加工企業が参加している。

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