紫金鉱業、DRCマノノ・リチウムプロジェクトを2026年に始動 年間10万トンLCEを目指す

Zijin Mining

【中国・福建省】紫金鉱業(Zijin Mining)は、コンゴ民主共和国(DRC)で進めるマノノ(Manono)リチウムプロジェクトの生産を2026年第1四半期に開始する計画を発表した。プロジェクトはマノノ鉱山の北東部に位置し、年間10万トンのスポジュメン精鉱(SC)を生産する予定で、これは炭酸リチウム換算(LCE)に相当する。また、同社は同地にリチウム硫酸塩(Li₂SO₄)製造施設を建設中で、2026年の生産開始を見込んでいる。

共同事業とプロジェクトの意義

紫金鉱業によると、マノノ鉱山は世界最大級の露天掘り可能なリチウム・セシウム・タンタル・ペグマタイト鉱床の一つ。DRC政府は2023年10月23日、同社に鉱山北東部の探査権を付与した。この地域の探査権を持つDRC国営鉱山会社コミニエール(Cominiere)と紫金鉱業は共同で開発を進めるため、合弁会社「マノノ・リチウム」を設立。紫金鉱業の子会社金祥リチウム(Jinxiang Lithium)が61%の株式を保有し、残りの39%をコミニエールが所有する。


紫金鉱業のリチウム事業拡大戦略

紫金鉱業はリチウム事業の拡大を積極的に進めており、2023年比で2028年までに年間LCE生産量を25万~30万トンに増加させる計画だ。

マノノ・プロジェクトに加え、同社は以下の主要リチウム事業を推進している:

  • アルゼンチン:トレス・ケブラダス(3Q)塩湖プロジェクト(炭酸リチウム2万トン/年、2025年)
  • チベット:拉庫錯(Lakkor Tso)リチウムプロジェクト(水酸化リチウム2万トン/年、2025年)
  • 中国:襄垣(Xiangyuan)鉱山第2期(LCE生産能力を3000トン→3万トン/年へ増強、2025年第2四半期)

紫金鉱業は、リチウムの供給網をグローバルに拡大し、EV(電気自動車)向けバッテリー市場での競争力を強化していく構えだ。


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