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HRC |
EU鉄鋼セーフガード見直しに向けた新提案
欧州鉄鋼連盟(Eurofer)は、グローバルな熱延コイル(HRC)輸入枠を月単位で管理する方式が、EUの鉄鋼セーフガード措置の見直しにおいて有効な対策となり得るとの見解を示した。
このグローバル枠の導入は、韓国の現代製鉄と韓国鉄鋼協会が欧州委員会に提案したものであり、Argusが入手した資料によると、1月13日に現代製鉄が提出した意見書の中で詳細が説明されている。
韓国鉄鋼業界の提案とその背景
現代製鉄は、グローバル枠を月単位で配分することで「貿易の流れを円滑化し、供給網の管理を改善し、枠の不均衡な利用による市場の歪みを防ぐ」と主張。現在、一部の国は「その他の国枠」の15%を短期間で使い切るため、EU市場への急激な供給増加が発生するリスクがあると指摘した。
韓国の鉄鋼メーカーは、独自の国別枠を持ち、それが通常は枠期間の終盤まで埋まらないが、今四半期は早期に「クリティカル」(上限近く)に達し、2月後半には完全に枠を消化した。
韓国鉄鋼協会も現代製鉄と同様の見解を示し、「月ごとの制限」や「枠超過分への関税引き上げ」を求めた。
欧州鉄鋼連盟(Eurofer)の見解と求める措置
Euroferは今月初め、欧州委員会に対し、グローバル枠の導入は有効な手段になり得るとする意見書を提出。ただし、これを機能させるには、「先着順関税制度」(first-in, first-out duty regime)の導入が不可欠だとした。これは、枠の初日からすべての輸入品に対し比例計算なしで関税を適用する方式であり、不正な輸入調整を防ぐ狙いがある。
また、1月10日には以下の措置を求める意見書を提出している。
- 平鋼(フラットスチール)枠の50%削減(需要との整合性向上)
- 中国向け個別枠の導入
- 「メルト&ポア」ルールの適用(中国製基材を使用した鋼材を中国枠に分類)
- 枠超過時の関税(25%)の引き上げ
- 先着順関税の導入(枠超過分は全量関税適用)
- 「その他の国枠」上限の15%を他枠にも適用し、HRCの上限を7.5%に引き下げ
- 枠の繰越を廃止し、国別枠を増やして「その他の国枠」を縮小
- 枠の自由化(リベラリゼーション)の撤廃
Euroferと一部の輸入業者はグローバル枠の導入に関して一致しているものの、無関税で輸入できる数量の設定については意見が分かれるとみられる。
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STEEL