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Liberty Steel |
ルクセンブルク工場、新オーナーを迎え生産再開を準備
破綻したルクセンブルクのLiberty Steel Dudelange製鉄所に、新たな買収候補が浮上していると、Kallanishが関係者の話として報じた。
資産管理者は労働組合に対し、新たなオーナーとの合意が成立したと通知。トルコの鉄鋼企業が買収候補とみられる。
過去に欧州鉄鋼企業の買収に関心を示していた**トスヤリ(Tosyali)**が有力候補として挙がる。同社は、欧州の圧延鋼メーカーと競争するのではなく、半製品を供給する戦略を取る可能性がある。
政府の意向と売却プロセス
ルクセンブルク政府は企業の財務回復とLiberty Steelの債務清算を優先しており、従業員関連の支出を債権者として回収する方針だ。土地は国有のままとなり、新オーナーには事業のコンセッション(運営権)が与えられる。
工場は無償譲渡ではなく売却される予定で、スタッフの努力により設備は良好な状態を維持。2024年7月の試験生産では、設備の性能が確認された。手続き完了後は、最小限の官僚手続きで迅速に生産再開が可能とされる。
買収者の選定には、売却手続きを管轄する裁判官の承認が必要で、最終的には政府の承認を経て正式決定となる。
Liberty Steelの欧州事業売却とグループ全体の危機
Liberty Steel Dudelangeは約140人を雇用するが、2年以上操業を停止。2024年12月にルクセンブルク商事裁判所が破産宣告を下した。
同社はデュドランジュに加え、イタリアのMagonaおよびベルギーのLiegeの売却も進めている。3工場の合計圧延能力は年間250万トン以上。Magonaは原材料購入により操業再開したが、Liegeは破産の瀬戸際にある。
ルーマニアのLiberty Galatiも財務問題が長引き、高炉は8カ月前に停止したままで、経営陣は復旧の見通しを示していない。
さらに、チェコのLiberty Ostravaは、破産管財人が債権者委員会の承認を得て売却手続きを開始。また、ハンガリーのDunaújváros製鉄所も生産停止が長期化し、政府が破産の可能性を警告している。
Liberty Steelグループは欧州各地で財務危機に直面しており、複数の工場が売却・破産のリスクに晒されている。