LMEの先物・オプション取引、2024年に18.2%増加—ニッケル取引が急伸

ロンドン金属取引所(LME)で取引される先物およびオプションの平均日次取引量(ADV)は、2024年に前年比18.2%増の66万4,698ロットとなり、過去4番目の高水準に達した。特に、ニッケルのデリバティブ取引が58.8%増の6万5,094ロットと急増し、2021年の水準に迫ったことが主要な要因となった。

2022年と2023年は、2022年第1四半期のショートスクイーズによる一時的な取引停止や価格と現物市場の乖離の影響で取引が低迷していたが、2024年の急増は、投機取引とヘッジ活動の本格的な回復を示している。

ニッケルの供給増と在庫の変化

ニッケルの年間取引量増加の背景には、2024年に中国およびインドネシア由来の4つのブランドがLMEの登録品目に加わり、供給が改善したことがある。これによりLME倉庫の在庫が急増し、ワラント付き在庫は前年末の5万7,780トンから14万8,674トンへと2倍以上に増加した。

さらに、LME倉庫におけるニッケルの出所も変化を見せた。2024年11月時点で、中国産ニッケルがLMEの全ニッケル在庫の42%を占め、2023年末の11%から大幅に増加。これにより、従来優勢だったロシア産およびオーストラリア産のニッケルが後退した。

他の金属取引も増加

2024年は他の非鉄金属の取引量も増加した。スズのADVは25.9%増の6,284ロット、亜鉛は16.9%増の10万4,318ロットとなった。銅とアルミニウムは、それぞれ10.0%増の15万2,291ロット、15.8%増の26万2,390ロットに拡大。鉛のADVも18.2%増の6万8,565ロットに達したとLMEは報告している。

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