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Agnico Eagle Mines |
PFSの主なハイライトは以下の通り。
- 鉱石埋蔵量:5,200万トン(平均品位2.1g/t、推定金埋蔵量350万オンス)
- 鉱石資源から埋蔵量への転換率:85%
- 鉱山寿命:20年間(前半10年間は露天掘り、後半10年間は地下採掘)
- 年間平均生産量:22.7万オンス(最初の10年間)
- AISC(総維持費用):鉱山寿命全体で1オンス918米ドル、最初の10年間は717米ドル(露天掘りの高品位鉱石と低いストリップ比率が要因)
- 初期資本投資額:5億7500万米ドル(2022年のPEAと同様、低資本集約型プロジェクト)
2030年の初回金産出を目指す
同社は、2025年後半に環境影響評価(EIA)申請と確定的経済評価(DFS)を開始し、24カ月間の許認可取得期間と2年半の建設期間を経て、2030年に初回金産出を計画している。
ルパートのグラハム・クルーCEOは、「今回のPFSは、イッカリの堅固なプロジェクト基盤が大きな価値創出につながることを証明した。低コスト運営が可能で、かつ鉱業に適したティア1管轄区域に位置している」とコメントした。現在、DFSおよびEIAの作業が進行中であり、「2025年冬季探査の結果公表を楽しみにしている」と述べた。
株価上昇、隣接するアグニコ・イーグルの影響
発表を受け、ルパートの株価は1.8%(0.09ドル)上昇し、4.91ドルを記録。過去52週間の株価レンジは2.90ドル〜5.08ドル。
イッカリの立地と探査手法
イッカリは、ルパートが保有する「ラップランド・プロジェクト」の一部で、近隣には過去に操業したパータヴァーラ(Pahtavaara)鉱山が含まれる。この鉱山は1996年から2014年にかけて約45万オンスの金を産出し、現在も47.4万オンスの推定資源を持つ(2018年4月のNI 43-101技術報告書より)。
また、ルパートのフィンランド資産は、アグニコ・イーグル・マインズ(Agnico Eagle Mines Ltd.)[TSX: AEM, NYSE: AEM]のキッティラ(Kittila)金鉱山に隣接しており、アグニコはルパート株の9.9%を保有する戦略的投資家となっている。
イッカリ鉱床は、ソダンキュラ(Sodankylä)から約30kmの地点にあり、舗装道路30kmと林道5kmを経由してアクセス可能。地質調査は主に氷河堆積物(厚さ5〜40m)下の基盤岩/表土界面の地球化学分析に基づき、系統的な探査によって発見された。露頭はなく、低湿地が広がる地形となっている。