Phoenix Tailings、BMWとヤマハの支援で4,300万ドル調達—レアアース生産拡大へ

Phoenix Tailings

米国のレアアース精製スタートアップ、Phoenix Tailingsは、BMWとヤマハの出資を受け、4,300万ドルのシリーズB資金調達を完了した。これにより、同社のパイロット施設における生産能力を年間200トンに拡大する計画だ。

戦略的投資で生産能力を向上

今回の資金調達はEnvisioning Partnersが主導し、Escape Velocity、In-Q-Tel(IQT)といった米国の著名ベンチャーキャピタルに加え、ヤマハモーターベンチャーズ、BMW i Venturesが参加した。資金は、生産能力の拡大だけでなく、ディスプロシウム、テルビウム、ネオジム-プラセオジム合金といった重希土類の精製技術向上にも活用される予定である。

環境負荷を低減する新技術

Phoenix Tailingsは、リサイクル可能な溶剤と水を活用することで、従来法と比較して二酸化炭素排出を大幅に削減できる精製プロセスを開発している。この技術では、鉱山廃棄物やリサイクル機器からレアアースを抽出し、酸化した金属を電気分解で溶融塩中で精製する手法を採用している。

米国のレアアース供給網強化へ

中国によるレアアース技術輸出規制が強化される中、米国は電気自動車、電子機器、風力タービン、軍需製品の生産に不可欠なレアアースの国内供給網強化を重視している。Phoenix Tailingsの技術は、こうした米国の戦略に合致しており、今後の供給リスクの軽減に寄与する可能性がある。

同社は、2025年6月までにニューハンプシャー州エクセターに新施設を開設予定。新拠点の成功を足掛かりに、全米規模での事業拡大を視野に入れている。

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