SIJ |
需要増加とエネルギー価格対策におけるEUの支援を見込む
スロベニアの鉄鋼メーカー、スロベニアン・スチール・グループ(SIJ)は、業界の厳しい状況にもかかわらず、2025年の見通しについて楽観的な姿勢を示している。これは、同社のデータを基にしたKallanishの報道によるものだ。
2024年、SIJの売上高は10億ユーロと前年並みを維持。一方で、EBITDA(利払い・税引き・償却前利益)は5,100万ユーロとなり、2023年の7,330万ユーロから減少した。純損失は1,540万ユーロに達した。
「鉄鋼市場は今年から回復し始めると見られ、すでに一部製品の需要は増加している」と、SIJの副社長ティボル・シモンカ氏は述べた。
同社の予測によると、金利の低下と投資の増加を背景に、2026年にはさらに需要が拡大すると見込まれる。
「今年最初の2カ月の業績を見る限り、昨年11月に発表した予測を達成、もしくは上回る可能性がある」とシモンカ氏は付け加えた。
2025年の業績予想では、売上高を10.5億~11.1億ユーロ、EBITDAを6,100万~8,500万ユーロと見込んでいる。鉄鋼メーカーにとって、高騰するエネルギー価格と中国との競争が依然として大きな課題となっている。
また、SIJは米国との貿易関係の変化も注視している。同社の売上の約10%は米国市場からのものであり、さらなる需要増加を期待している。
「米国の新たな鉄鋼輸入関税については、最終的にクオータ制などの形で妥協点が見出される可能性が高い」と同氏は見解を示した。
欧州委員会は、鉄鋼業界の競争力を支援するための計画を策定中であり、SIJはその早期実現を期待している。
GMK Centerの報道によれば、SIJはEU市場の厳しい状況を踏まえ、中東市場への進出を検討中だ。特に、サウジアラビアで15億ユーロ規模の電磁鋼・熱間圧延鋼工場の建設を計画しており、エネルギーコストの低い市場での競争力強化と成長市場での地位確立を目指している。