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Taseko Mines |
操業改善を背景に生産増加へ
カナダの鉱山会社Taseko Minesは、ブリティッシュコロンビア州ジブラルタル鉱山における2025年の銅生産見通しを上方修正した。今回の修正は、鉱石処理能力の向上と選鉱設備の稼働率改善を背景としている。
生産量の増加と操業改善
2025年の銅生産量は1億2,000万~1億3,000万ポンドと予測され、2024年の1億600万ポンドから大幅な増加が見込まれる。生産の大部分は年後半に集中し、前半は低品位のストック鉱石を活用して操業を維持する戦略を採用。これにより、Tasekoは生産スケジュールを最適化し、市況の好転を生かす可能性を高める。
同社は、2025年においても高水準の鉱石処理能力を維持するとしている。2024年第4四半期には、ジブラルタル鉱山の平均処理量が1日8万9,000トンに達し、設計処理能力を約5%上回った。また、2024年には計画・非計画のメンテナンスに伴う3週間の選鉱設備停止が発生したが、2025年には稼働率が改善し、銅生産の増加に寄与すると期待される。
2024年の生産・販売実績と今後の展望
Tasekoは、2024年の銅生産量を1億500万~1億1,000万ポンドとする修正目標を達成したものの、当初計画の1億1,500万ポンドには届かなかった。この減少は、6月の労働争議による操業停止やその後の選鉱設備の稼働率低下が影響した。2024年第4四半期の生産量は2,900万ポンドとなり、前年同期比15%減となったが、第2四半期の2,000万ポンドからは2四半期連続で回復を示した。
一方、モリブデン生産量は前年比17%増の140万ポンドとなり、第4四半期の生産量は前年同期比48%増の54万7,000ポンドに達した。これは、新たに開発されたコネクターピットからの高品位鉱石の供給増加によるものだ。2024年の銅販売量は前年比11%減の1億800万ポンドとなったが、モリブデン販売量は18%増の140万ポンドに拡大した。