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リオ・ティント |
リチウム供給市場で世界第3位に
リオ・ティントは、アルカディウム・リチウムの買収を完了し、同社をリオ・ティント・リチウムに改名することを発表した。この買収により、リオ・ティントは世界有数のリチウム供給企業となる。
買収の背景と戦略
英国ジャージー王立裁判所の承認を経て、アルカディウム・リチウムはASXおよびニューヨーク証券取引所から上場廃止となり、リオ・ティントの完全子会社となった。リオ・ティント・リチウムは、2028年までにティア1資産の生産能力を年間20万トンの炭酸リチウム換算量(LCE)に拡大する計画を掲げている。
リオ・ティントの最高経営責任者(CEO)ヤコブ・ストウルホルム氏は、「本日、アルカディウムの従業員をリオ・ティントに迎え入れられることを大変嬉しく思う」とコメントした。
「当社はエネルギー転換に必要な鉱物の調達、採掘、生産を加速させる。リオ・ティントの規模、財務力、事業開発経験と、アルカディウムのティア1資産、技術力、商業的能力を組み合わせることで、鉄鉱石、アルミニウム、銅事業と並ぶ世界トップクラスのリチウム事業を創出する」
「地域社会を尊重し、環境への影響を最小限に抑え、株主やステークホルダーに価値を提供しながら、エネルギー転換に必要な素材の供給に貢献する」と述べた。
買収の詳細と相乗効果
この取引は2024年10月に発表され、リオ・ティントはアルカディウムを1株5.85米ドルで買収した。これは、アルカディウムの10月4日終値(3.08米ドル)に対して90%のプレミアムを付けたオールキャッシュ取引となった。
両社はアルゼンチンをはじめとする同様の地域で事業を展開しており、リオ・ティントはリコン・リチウムプロジェクトの開発を進めている。2024年12月には25億米ドル規模の拡張計画が承認された。一方、アルカディウムはサラール・デル・オンブレ・ムエルト、オラロス、サル・デ・ビダ、カウチャリなどのリチウム資産を保有している。
リオ・ティントは、アルカディウムの上流(採掘)および下流(精製)プロセスの能力を活用し、リチウム市場での競争力をさらに強化する方針だ。
この買収により、リオ・ティントはリチウム供給市場で世界第3位となり、アルベマール(Albemarle)およびチリ化学鉱業(SQM)に次ぐポジションを確立した。