銅価格、1万1000ドル突破—米関税懸念が高騰を後押し


米国の関税調査と供給逼迫が市場を揺るがす

銅価格は木曜日、ニューヨーク市場で1万1000ドルを突破し、新たな高値を記録した。これは、ドナルド・トランプ米大統領が推進する関税政策による世界貿易の混乱を背景とした動きである。

トランプ大統領は先月、商務省に対し米国の銅輸入について調査を行うよう指示した。これが関税導入の前兆と見なされる中、米国内の銅価格は急騰し、貿易業者が関税適用前に米国に金属を送り込む動きを加速させた。その結果、他地域での供給が減少し、市場全体のひっ迫が深刻化している。

米商品取引所(COMEX)では、銅先物価格が0.3%上昇し、午後1時(米東部時間)時点で1万1270ドルを記録した。これは、ロンドン金属取引所(LME)の銅価格1万ドルを大きく上回り、約13%のプレミアムがついた形となる。

「これは米国関税の可能性による地域間の価格再評価の動きだ」と、紫金鉱業投資(上海)の副取引責任者、魏来氏は指摘する。「米国への輸送が増加し、他地域の供給が逼迫している。買い意欲は非常に強い」と述べた。

価格差拡大と市場への影響

の急騰は、トランプ政権の貿易政策による影響の一例に過ぎない。同政権はすでに鉄鋼・アルミニウムに25%の関税を課し、カナダ、メキシコ、中国への制裁関税を実施。さらに、来月から広範な「相互関税」を実施すると予告している。

銅輸入調査の結果が出るのは年末になる見込みだが、ゴールドマン・サックスとシティグループは、米国が2025年末までに銅輸入に25%の関税を課す可能性が高いと予測している。

米国市場とLMEの価格差は拡大しており、COMEX銅価格は年初来で27%上昇。一方、LME価格の上昇率は約14%にとどまっている。この価格差により、貿易業者や生産者は銅供給を米国に集中させる動きを強めており、10万トン以上の銅が米国へ輸送中とみられる。

トラフィギュラ・グループやグレンコアなどの大手コモディティ企業がアジアからの供給を米国に振り向けていると、関係者はブルームバーグに証言している。

また、銅価格を支える要因として、米ドルの軟調推移も挙げられる。トランプ大統領の再選後、ドルは下落基調にあり、これは通常、銅の価格上昇を促す。

さらに、銅精錬業者の原料確保が困難になっていることも価格上昇を後押ししている。精錬能力の急拡大により、鉱石供給が追いつかず、精錬業者は競争の激化に直面している。

投資家やトレーダーにとっては、銅価格の上昇が利益機会を提供する一方で、米国の製造業者はすでに関税を織り込んだ価格を支払う状況となっている。また、アルミニウム市場でも米国の25%関税適用により、先週のプレミアムが過去最高を記録した。

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