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銅 |
米国関税懸念と世界的な需給逼迫が価格を押し上げる
銅価格が1ポンド5ドルを突破し、世界市場は混乱している。インフレや金利といった通常の要因だけでは説明できない今回の急騰の背後には、関税リスク、米国の買い占め、中国の再備蓄、チリの供給減少という4つの主要因がある。
米国の買い占めと関税リスク
2025年初頭から上昇を続けていた銅価格だが、米国市場(Comex)とロンドン金属取引所(LME)の価格スプレッドが拡大している。米国のフロントマンスのComex銅先物は5ドルを超え、一方でLME価格は約4.60ドルにとどまっている。この価格差により、トレーダーは利益を求めて海外から米国へ銅を輸送し、Comexの在庫は急増している。CME倉庫の在庫は2024年9月以降で2倍以上となり、8万5,000トンを超えた。この動きは単なる市場の裁定取引(アービトラージ)ではなく、「関税ショック」に備えた買い占めの影響が大きい。
4月2日、米国政府は外国金属への新たな報復関税を発表した。具体的な適用範囲は未確定だが、銅が含まれるリスクが高まっている。市場では追加関税が課される前に在庫を確保しようとする動きが強まり、米国の銅価格が急騰している。ゴールドマン・サックスは、当初9~11月の間に銅に25%の関税が適用されると予測していたが、現在は早期発動の可能性を示唆している。これにより、ComexとLMEの価格差(現在約17%)はさらに拡大する可能性がある。
中国の需要回復とチリの供給減少
一方、LMEの銅在庫は急減し、25万トンを下回った。特にアジアのLME倉庫からの銅引き出しが急増し、過去数年間で最大の水準に達している。
この動きの背景には、中国の需要回復がある。長らく低迷していた中国の小売売上高が過去2カ月で急増し、製造業の季節的な在庫補充と相まって世界最大の銅消費国が市場に再参入している。「関税リスク+米国の買い占め」と「中国の需要回復+アジアの在庫減少」というダブルパンチが、世界の銅市場を圧迫している。
さらに、チリの供給減少が拍車をかけている。2024年12月以降、チリの銅輸出が減少しており、鉱石品位の低下、天候、労働問題、運営上の課題などが影響している。世界最大の供給源であるチリの減速により、市場の逼迫は避けられない状況だ。
今後の展望
これら4つの要因が組み合わさり、銅価格は過去最高水準に到達している。この市場の流れは今後も続く可能性が高い。銅市場のボラティリティが高まる中、トレーダーや投資家にとっては大きな利益のチャンスでもある。
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