銅価格、5カ月ぶりの高値に接近—中国の消費促進策が後押し


銅価格は月曜日、中国政府が消費活性化策を発表したことを受け、5カ月ぶりの高値圏で取引された。

中国の消費拡大策と市場の反応

中国当局は週末、所得向上を通じて消費を促進する「特別行動計画」を発表。年初からの個人消費の伸びが、米国のドナルド・トランプ大統領による関税の影響を一部相殺している。1~2月の小売売上高は前年比4%増と市場予想を上回った。

一方、金属需要の柱である中国の不動産市場は依然として低迷。2月の新築住宅価格は前月比で下落幅が拡大した。月曜日午前のニューヨーク・COMEX市場では、5月限の銅先物が前日比1%高の1ポンド=4.95ドル(1トン=9,900ドル)で取引された。

供給逼迫と価格高騰の要因

2024年に入ってから、銅価格は約12%上昇。これは、トランプ大統領が銅輸入に対する「通商拡大法232条」調査を開始する大統領令に署名したことが影響している。さらに、鉱山供給の減少も価格を押し上げている。最大手のCodelcoは、チリ中部のエル・テニエンテ鉱山のメンテナンス作業により、第1四半期の生産量が前年同期と同水準、またはやや下回る見込みと警告。

また、世界最大の銅生産国チリの1月の銅生産量は、前月比24%減と9カ月ぶりの低水準を記録した。 シティグループは、タイトな需給環境を背景に、今後3カ月以内にLME銅価格が1トン=10,000ドルに到達すると予測。 モルガン・スタンレーも、米国の追加関税への期待感から、銅価格のさらなる上昇を見込んでいる。

コメントを投稿