銅 |
米国市場への輸出が加速、世界市場の競争激化
モルガン・スタンレーは最新の調査報告で、米国の関税措置を巡る動きが続く中、銅価格がさらに上昇する可能性が高いと分析した。現在、関税はまだ正式に発動されていないが、同社は「米国市場への輸出が促進される明確な理由がある」と指摘。これにより、世界市場の競争が激化し、供給が逼迫するとの見通しを示した。
5月渡しのCOMEX銅価格は昨日0.8%下落し、1トンあたり10,274ドルとなった。しかし、2025年の銅価格は前年同期比で16%上昇しており、中長期的な価格上昇トレンドは維持されている。
チリの供給減少と米国の生産低下が価格を押し上げる要因
銅市場は依然として供給不足の影響を受けている。モルガン・スタンレーの報告によると、チリの銅生産量は2025年1月に前月比で24%減少。世界最大の銅生産国であるチリの供給減少は、市場のひっ迫を一層強める要因となっている。
また、米国の銅生産量も減少傾向が続いている。2023年には11%減少し、2024年も3%の減少が確認された。国内生産が落ち込む中で、米国の需要を満たすための輸入依存度が高まり、これがさらなる価格上昇の要因になると見られている。
モルガン・スタンレー「銅の強気相場は継続」
モルガン・スタンレーは、銅市場の価格シグナルとファンダメンタルズの両方が依然として良好であると評価。米国の関税措置が今後どのような影響を与えるかは不透明だが、物理市場のひっ迫と需要の増加が価格を押し上げる構造は変わらないと分析している。
Tags
NONFE