中国、重要鉱物の輸出規制を拡大 – 貿易摩擦の新たな局面

ビスマス

タングステン・ビスマスなどの輸出制限を強化

中国政府は、新たにタングステン、インジウム、テルル、ビスマス、モリブデンなどの重要鉱物の輸出管理を強化した。この措置は、米国による関税引き上げに対抗する戦略の一環とみられ、中国商務部は2月4日から新たな輸出規制を施行すると発表した。

この規制強化は、2023年から2024年にかけて実施されたガリウム、ゲルマニウム、黒鉛、アンチモンに対する輸出規制に続くものであり、影響を受ける重要鉱物の範囲がさらに拡大することとなった。特にタングステンやビスマスは、中国が世界市場の80%近くを支配している鉱物であり、今回の規制強化が世界の供給網に与える影響は極めて大きい。

世界の供給網と価格への影響

市場関係者によると、中国の輸出管理強化により、タングステンやビスマスの国際価格は上昇する可能性が高い。特に電子機器やエネルギー関連産業において、これらの鉱物は不可欠な材料であり、供給の不確実性が産業全体に混乱をもたらすことが懸念されている。また、中国政府の規制により、特定の国への輸出が制限される可能性も指摘されている。これにより、欧米諸国を中心に、重要鉱物の代替供給源の確保や、自国内での生産能力の向上に向けた投資が加速する見通しだ。

今後の展望 – 資源ナショナリズムの加速

今回の輸出規制強化は、中国が重要鉱物の供給を戦略的に活用し、経済的および政治的な影響力を強める動きの一環といえる。米中間の貿易摩擦が深まる中で、このような「資源ナショナリズム」が今後さらに進む可能性がある。短期的には、輸出許可の厳格化による手続きの遅延や供給不安から、市場価格の変動が続くと予想される。一方、長期的には、中国以外の国々での採掘・精錬能力の拡充が進むことで、世界的な供給網の再編が加速する可能性もある。中国の重要鉱物輸出規制は、世界の金属市場にとって重大な転換点となる。今後の動向を注視し、供給リスクの管理を強化することが、各国および企業にとって重要な課題となるだろう。

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