ティッセンクルップ・スチール、グリーン水素の調達入札を一時停止 – 高価格が要因

Thyssenkrupp Steel

高価格と水素経済の遅れが影響

ドイツの大手鉄鋼メーカー、ティッセンクルップ・スチール(Thyssenkrupp Steel)は、デュースブルクの直接還元鉄(DRI)プラント向けのグリーン水素調達入札を一時停止した。S&P Globalが報じた。

同社は、水素の提案価格が予想を大幅に上回り、水素経済の進展が遅れていることを理由に挙げている。水素関連の枠組み条件も大きく変わる可能性があり、これらの不確定要素が入札停止の決定に影響を与えた。

DRIプラントの建設・稼働には影響せず

ティッセンクルップ・スチールは、今回の決定が直接還元鉄プラントの建設や操業に直接影響を及ぼさないと強調している。プラントは天然ガスでも稼働可能であり、同社は当面、天然ガスを使用する計画だ。天然ガスを活用することで、従来の高炉プロセスと比較してCO2排出量を50%削減できる。

同社は2024年2月に、再生可能エネルギー由来の低炭素水素を調達するための10年間の契約入札を開始した。計画では、2028年に10.4万トンの水素供給を開始し、2029年から2035年にかけて14.3万トン、2036年から2037年には15.1万トンへ増加する予定だった。

欧州の水素経済の遅れが影響

ティッセンクルップ・スチールは、プラント稼働当初は天然ガスを使用し、段階的に水素へ移行する計画だった。しかし、欧州のグリーン水素経済の進展が遅れており、インフラ整備の遅れや初期プロジェクトの課題が浮き彫りになっている。

同社は今回の入札結果について、価格や供給量、契約条件などを精査し、ドイツ政府および欧州委員会と協議を進める予定だ。その上で、水素調達の戦略を見直し、サプライヤーとの連携を強化する考えを示している。

なお、ドイツの主要産業団体13社は、欧州レベルでの水素戦略同盟の設立を新政権に求めており、業界全体で水素経済の早期確立が求められている。

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