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Hyundai Steel |
現地市場価格への影響と業界の動向
韓国産業通商資源部(MOTIE)傘下の貿易委員会は、日本および中国から輸入される熱延炭素鋼・合金鋼(HRC)コイルに対するダンピング調査を正式に開始する。これは、韓国鉄鋼大手の現代製鉄(Hyundai Steel)が2024年12月に提起した訴えに基づくものだ。
同社は、日本および中国からのHRC輸出が不公正貿易慣行に該当し、自社の事業に深刻な損害を与えたと主張。韓国国内市場での輸入材価格が、自社およびPOSCOの製品より10~30%低い水準で販売されていると指摘した。ただし、調査の詳細や予備的なアンチダンピングマージンについては、正式な報告が公表されるまで明らかにならない。
日本と中国のHRC輸出動向
中国税関総署によると、2023年の韓国向け熱延鋼板の輸出量は前年比8.1%減の161万トン。一方、世界市場全体では31.1%増の2,747万トンに達した。
一方、日本鉄鋼連盟(JISF)によれば、2024年4月~2025年1月の日本から韓国へのHRC輸出量は142万トンで、前年同期比10.6%減少。しかし、韓国は日本にとって依然として最大のHRC輸出先であり、全体の9.9%を占めている。
この韓国政府の調査開始により、日本の鉄鋼業界は懸念を示している。また、韓国はすでに造船・建設向けの中国製厚板に対し、27.91~38.02%の仮ダンピング関税を適用する措置を発表しており、今後の展開が注目される。
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