ゲルダウ、ブラジルで新熱間圧延鋼生産ラインを稼働

Gerdau

ブラジルの大手鉄鋼メーカーゲルダウ(Gerdau)は、ミナスジェライス州オウロ・ブランコ工場で新たな熱間圧延鋼(HRC)生産ラインを正式に稼働させた。これにより、同工場のHRC生産能力は年間23万トン増加し、総生産量は年間100万トンに達する。

この拡張により、自動車産業や機械・設備製造業向けの高品質鋼材の供給力が向上し、国内外市場での競争力が強化される見込みだ。


輸入鋼材との競争と政府の対応

新ラインの建設には約2億6000万ドルの投資が行われ、既存設備の近代化や最先端技術の導入により、生産効率の向上と環境負荷の低減が期待されている。

しかし、ゲルダウのCEOであるグスタボ・ウェルネック氏は、中国を中心とした鋼材輸入の増加により、新ラインの稼働が脅かされる可能性を警告。政府に対し、今月末までに追加の保護措置を講じるよう求めた。

今回の開所式には、ルイス・イナシオ・ルラ・ダ・シルバ大統領とジェラルド・アルキミン副大統領が出席しており、政府が輸入制限に向けた対応を強化する可能性が示唆される。

ゲルダウは、**メキシコでの新鋼材工場建設(年産60万トン規模、5~6億ドルの投資)**を検討していたが、米国での生産能力増強へ方針を転換する可能性も示している。


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