CBAM、インドの中小製鉄業者の脱炭素化を阻害の可能性

CBAM

欧州連合(EU)の炭素国境調整メカニズム(CBAM)は、中小企業(SME)の排出削減支援が不十分な場合、鉄鋼業界において不平等な結果をもたらす可能性がある。これは、インド経営大学院(Indian Institute of Management)および経営技術研究所(Institute of Management Technology)の専門家による最新の研究で明らかになったと、The Times of India が報じた。


中小企業にとっての課題

本研究によると、大手統合製鉄所は生産プロセスを適応させ、EU市場向けの低炭素鉄鋼を供給できるが、SMEは資金・技術面での制約や限られた対応能力により困難に直面する可能性が高い。その結果、脱炭素化が「二段階の進行」となり、大企業が有利な立場を確保する一方で、中小企業は脆弱な立場に置かれる恐れがある。


貿易関係への影響

さらに、本研究はCBAMのような政策が各国で一方的に導入されると、輸出業者のコスト増加、貿易関係の複雑化、さらには地球規模での気候協力を妨げる可能性があると警鐘を鳴らしている。

この分析は、鉄鋼業界関係者、政府関係者、学者、市民団体など41の主要なステークホルダーの意見を基に行われた。研究者らは、EUおよび同様の制度導入を検討する国々に対し、技術移転や能力構築などの適切な支援を提供することで、公正な脱炭素化プロセスを確保するよう求めている。


CBAMの国際的な動向

GMK Centerの報道によると、台湾は独自のCBAM法案を年後半以降に提出する予定であり、世界貿易機関(WTO)との整合性を図る方針を示している。


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