Metinvest、米M113装甲兵員輸送車向け装甲生産を開始

Metinvest

特殊鋼スクリーンがFPVドローン攻撃から装甲車両を防御

Metinvestグループは、Steel Front イニシアチブの一環として、装甲兵員輸送車(APC)向けの特別防護スクリーンの生産を開始した。これらの設計は、上方から攻撃する敵のカミカゼドローンの脅威を大幅に軽減する。現在までに14基が製造されており、M113、FV432、YPR-765戦闘車両に適用可能だと、Metinvest.Media のプレスリリースで発表された。


スクリーンの防護効果と導入状況

このスクリーンは装甲車両の上部に装着され、爆発性の弾頭の衝撃を吸収または偏向する遠隔バリアを形成する。これにより、乗員の生存率と車両の安全性が大幅に向上する。Metinvestが製造した類似の設計は、すでにAbrams、Bradley、Leopard戦車 に採用され、戦場で高い効果を発揮している。

M113装甲兵員輸送車は世界で最も広く使用される戦闘車両の一つであり、その機動性とメンテナンスの容易さが強みだ。しかし、アルミニウム装甲は最新の弾薬に対して十分な防御力を持たず、敵のFPVドローンが車両の弱点を狙うため、追加の防護が不可欠となっている。

現在、Steel Frontイニシアチブは、前線でM113を運用する部隊に防護スクリーンを積極的に供給している。同時に、エンジニアチームが新しい素材や形状を試験し、防御効果の最大化を図っている。


ウクライナへの貢献と業界への影響

ウクライナ防衛軍向けに既に数百基のスクリーンを製造しており、装甲車両や戦車を守る最良の手段として証明されています。何よりも、乗員の命を守ることができます。そのため、現在数十種類の車両向けの防護を開発し、生産を拡大しています」と、Metinvestの最高執行責任者(COO)オレクサンドル・ミロネンコ 氏は述べている。

ロシアの全面侵攻から3年間で、Metinvestグループはウクライナ支援に84億フリヴニャ(約4.4億ドル) を拠出しており、そのうち44億フリヴニャ(約2.3億ドル) がSteel Frontイニシアチブを通じてウクライナ軍に提供された。

また、Metinvestはウクライナ鉄鋼業界最大の納税者であり、2024年だけで198億フリヴニャ(約10.5億ドル) を納税。これは同業界の税収の61% を占める。

コメントを投稿