プルサ・リサーチ、新モバイルスライサー「Prusa EasyPrint」を発表

Prusa Research

クラウドベースで3Dプリントの利便性向上

3Dプリンターメーカーのプルサ・リサーチ(Prusa Research)は、スマートフォン、タブレット、ノートPCから直接3DモデルをスライスできるWebアプリ「Prusa EasyPrint」を発表した。初心者にも使いやすい設計で、3Dプリントの手順を簡略化する。

このアプリは、プリンタープロファイルの設定や細かな調整作業を省略し、ブラウザベースでスムーズな操作を実現。ユーザーは「Printables」からモデルを検索し、ワンクリックで3Dプレビューを確認。さらに「PrusaConnect」を介して接続されたプリンターを自動検出し、適切なスライシングプロファイルを適用して印刷が可能となる。

Prusa EasyPrintの主な特徴と利用方法

Prusa EasyPrintは、材料ステータスの確認やプリンターの準備状況の確認など、追加機能も備える。ユーザーが印刷を開始すると、アプリはクラウドサーバー上でPrusaSlicerを実行し、Gコードを生成してプリンターに送信する。

また、OrcaやBambuStudioといったPrusaSlicer派生のスライサーにも対応。将来的にPrusa製以外の3Dプリンターへの対応も期待される。オフラインプリンターでも、Gコードを手動でダウンロードし、USBやSDカード経由で転送することで利用可能。

ヨゼフ・プルサ氏は「EasyPrintは強制的なクラウド依存ではなく、あくまでオプションツールである」と説明。同アプリはスライサーではなく、3MFファイルを生成するWebアプリであり、最新のスライサーと互換性がある。

モバイルデバイスのメモリや処理能力の制約を考慮し、クラウドスライシングを採用。データセキュリティも重視されており、安全かつ効率的な印刷環境を提供する。

現在、EasyPrintは1ジョブのみ対応、モデルサイズや詳細に制限がある。プルサ・リサーチは今後、クラウドストレージや共有機能を含むアップデートを計画中。

早期アクセスは招待制で、既存ユーザーは限定的に他ユーザーを招待可能。さらに、新規100名を対象とした応募フォームも公開されており、Printablesのハンドル名が識別子として使用される。

3Dプリント業界におけるクラウド統合の進展

クラウドスライシングやリモート管理ツールは、3Dプリンティングのエコシステムに急速に組み込まれている。Prusa ConnectやRaiseCloudはプリンターの監視とジョブ管理を提供し、OctoPrintはオープンソースのリモート印刷ソリューションを提供。他にもUltiMakerがクラウド統合型ソリューションを開発し、3DPrinterOSはオフライン印刷にも対応している。

データセキュリティ、オフラインアクセス、ユーザー管理の問題は依然として議論の対象。例えば、2021年7月に米国国防総省(DoD)監察官が発表した報告書では、3Dプリント技術のサイバーセキュリティリスクを指摘。設計データの不適切な管理が、不正アクセスや改ざんのリスクを招く可能性があるとされた。

さらに、3Dプリンターのアクセス制御やクラウドアプリの依存度についても懸念が広がる。クラウド連携は利便性を向上させる一方で、運用信頼性やユーザーの自主性に影響を及ぼす可能性がある。例えば、Bambu Labの最近の認証アップデートでは、サードパーティ製ツールや素材の使用制限が懸念され、議論を呼んだ。この問題は、セキュリティ、クラウド接続性、オフライン機能の維持とユーザーの自由度のバランスをめぐる議論の一端を示している。

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