USAC、アラスカでアンチモン事業を拡大—中国依存からの脱却へ

Antimony

新規鉱区取得で北米の供給網を強化

米国テキサス州に拠点を置く**US Antimony(USAC)**は、アラスカで新たに120のアンチモン鉱区を取得し、供給網の強化を図る。5.25百万ドルのオプション契約により、総面積約17,900エーカーにわたる探査権を確保。これは、中国への依存度を低減し、米国および西側諸国の供給安定化を目的とした戦略的な動きとなる。

この地域は、過去の探査データから高品位の地表近傍アンチモン鉱床が存在するとされ、USACにとって有望な採掘対象となる見込みだ。契約条件には、今後5年半にわたる3百万ドルの段階的支払いと2.25百万ドルの探査投資が含まれ、採掘資源を最大限活用するための**精錬権益(ネット・スメリター・ロイヤルティ)**や第三者との共同開発の可能性も盛り込まれている。


既存の事業基盤を活かし、さらなる展開へ

USACは2024年に**アラスカで14,880エーカー(93鉱区)**を取得しており、今回の新規契約と合わせて探査活動を拡大する計画だ。同社はフィールドプログラムを通じて、これらの新鉱区の資源評価を進める。

また、USACは採掘事業だけでなく、精錬能力の強化にも注力。メキシコの精錬所再稼働を進めるとともに、Perpetua Resourcesとの提携により、アイダホ州スティブナイト・アンチモン・ゴールド・プロジェクトの精鉱処理も計画している。


中国の輸出規制強化に対抗、供給網の安定化を図る

USACの事業拡大は、中国のアンチモン輸出規制に対応したものだ。中国政府は2024年12月に米国へのアンチモン輸出を全面禁止。この影響で、世界的な供給不足と価格上昇が発生している。こうした市場動向の中、USACの取り組みは北米のアンチモン供給を強化し、戦略鉱物の安定確保に貢献することが期待される。


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