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建設用鋼材は堅調維持も、平鋼材は輸入競合と需要減で苦戦
イタリアの製鉄業は2025年1月、圧延鋼材の輸出を前年同月比12%減の12万トンに縮小させた。月次では2.7%の減少となった。これはEurostatのデータに基づくGMK Centerの分析によるもの。
棒鋼などのロング製品の輸出は前年比11.8%減の6.7万トンと縮小。一方で、平鋼材(フラット製品)の輸出は前年比12.3%増の5.3万トンに回復した。
特に以下の品目が注目される:
- 表面処理鋼板(HS 7210):1.6万トン(+27.5% y/y、+68.6% m/m)
- 炭素鋼ワイヤー(HS 7217):1.35万トン(-24.4% y/y、+1.9% m/m)
- 未加工棒鋼(HS 7214):1.35万トン(-6.7% y/y、+23.5% m/m)
- 熱延フラット材:1.35万トン(-48.9% y/y、-12.4% m/m)
輸入は大幅増、平鋼材の競争激化
2025年1月の圧延鋼材輸入は前年比6.4%増の96.1万トン。前月比では約2.6倍に急増した。ロング製品は6.7万トン(+17.4% y/y)、平鋼材は89.3万トン(+5.7% y/y)を占めた。
主な輸入品目は以下の通り:
- 熱延鋼板(HS 7208):51.9万トン(-6.7% y/y、+2.6倍 m/m)
- 表面処理鋼板(HS 7210):21万トン(+15.9% y/y、+11.1倍 m/m)
- 耐食鋼板(HS 7219):6万トン(+107.1% y/y、+57.8% m/m)
- 合金平鋼材(HS 7225):5.36万トン(+24.7% y/y、+95.9% m/m)
平鋼材は自動車不振で生産縮小
イタリアの2024年の粗鋼生産量は前年比5%減の2,000万トンとなった。12月単月では前年同月比8.8%減、前月比33.4%減の119.9万トンまで落ち込んだ。
製品別では:
- ロング製品:1,170万トン(-0.2% y/y)
- フラット製品:860万トン(-9.7% y/y)
ロング製品は建設需要の堅調さが下支えとなったが、平鋼材は自動車業界と製造業の不振、および輸入材の競争圧力で生産が落ち込んでいる。
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