豪労働党、選挙勝利で重要鉱物備蓄制度創設へ──1.2億豪ドルを初期投資

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オーストラリアの労働党は、次期連邦選挙で現政権が勝利した場合、国家としての戦略的自律性を高めるべく「重要鉱物戦略備蓄制度」を創設すると発表した。初期投資額は12億豪ドルで、制度は2026年後半にも稼働を開始する予定だ。

アルバニージ首相は、「この戦略備蓄制度により、政府は豪州国内で採掘される重要鉱物を購入・保有・売却できるようになる」とし、世界的な貿易摩擦の激化に対応できる柔軟性を持たせると述べた。

備蓄対象となるのは、クリーンエネルギー技術、スマートフォン、軍需技術の開発に不可欠なレアアースやリチウム、ニッケル、コバルトなどの重要鉱物。豪州は中国以外で最大のレアアース生産国であり、今回の政策はトランプ前米大統領による対中貿易戦略の再燃を念頭に置いたリスクヘッジ策でもある。

同制度は既存鉱山とのオフテイク契約(生産量の一部を確保)や直接買い取り契約を通じて、選定された鉱種の備蓄を構築。豪州国内産業および「主要な国際パートナー」への供給源として活用される予定で、設計・運用範囲は5月3日の連邦選挙後に設置されるタスクフォースが最終決定する。

選挙戦はすでに期日前投票が始まっており、労働党は中道右派の自由・国民連合に対して世論調査でリードを維持している。

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