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BHP主導のエスコンディダが16%増でトップ維持、脱炭素時代の供給拠点に注目集まる
脱炭素社会の実現に不可欠な金属として、銅の需要は今後数十年で急増する見通しだ。BHPは2050年に世界の銅需要が5,000万トンに達し、現在から70%増加すると予測。ブルームバーグNEFによれば、2050年までに原材料確保に必要な投資額は最大2.1兆ドルに上る可能性があるという。
こうした背景のもと、各国の巨大銅鉱山は安定供給の要としてその役割を強めている。以下に2024年の生産量ベースで世界の主要銅鉱山トップ10をまとめた。
第1位:エスコンディダ(チリ) – 128万トン
BHPが57.5%出資・運営する世界最大の銅鉱山。2024年は前年比16%増を記録。BHPは今後10年間で108億ドルを投じる拡張計画の一環として、2024年に選鉱施設最適化へ20億ドルの投資を決定。
第2位:グラスバーグ(インドネシア) – 81.6万トン
Freeport McMoRanとインドネシア政府系企業が共同運営。2023年の洪水・地滑り被害から回復し、2024年は8.4%増加。
第3位:コジャウアシ(チリ) – 55.8万トン
グレンコア、アングロ・アメリカン、三井物産のJV。前年から2.5%減少も依然高位を維持。
第4位:カモア・カクラ(コンゴ) – 43.7万トン
Ivanhoe Minesなどが参画する低炭素排出の次世代鉱山。2024年は前年比11%増。
第5位:ブエナビスタ(メキシコ) – 43.3万トン
Grupo Mexico傘下のSouthern Copperが運営。北米最古の稼働銅鉱山であり、2024年は4%増。
第6位:セロ・ベルデ(ペルー) – 43.0万トン
Freeport McMoRan、ブエナベントゥラ、住友金属鉱山のJV。前年比3.7%減。
第7位:アンタミナ(ペルー) – 41.3万トン
グレンコア、BHP、テックリソーシズ、三菱商事の共同運営。前年比2.1%減。
第8位:テンケ・フングルメ(コンゴ) – 40万トン(推定)
中国CMOCとコンゴ国営GécaminesのJV。2021年からの25.1億ドル投資により生産倍増、2023年に本格稼働。
第9位:KGHMポルスカ・ミエジ(ポーランド) – 39.5万トン(推定)
欧州唯一のトップ10入り鉱山。前年並みの生産を維持。
第10位:ポーラー・ディビジョン(ロシア) – 34.5万トン(推定)
ノリリスク・ニッケルが運営。前年比6.3%増。
※参考:中米最大の銅鉱山コブレ・パナマは2023年に33万トンを生産したが、政府命令により2024年に操業停止。稼働していれば上位入りが確実だった。
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