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ドイツ鉄鋼業界は2025年3月、前年同月比で11.3%減の311万トンの粗鋼を生産した。これはドイツ鉄鋼連盟(WVStahl)が発表した最新データによるもので、前月比では15.2%の回復を示したものの、長期的な縮小傾向は続いている。
3月の酸素転炉による粗鋼生産量は206万トンで、前年同月比▲14.8%、前月比▲12.1%と大幅な減少となった。一方で、電気炉(EAF)による生産は105万トンで、前年比では3.5%減だったものの、前月比では21.8%の大幅増を記録しており、スクラップ主導型の製鋼が回復傾向にあることを示している。
銑鉄の生産量は189万トンで、前年比▲15%、前月比+10.9%。熱間圧延鋼材の生産量は279万トンで、前年比▲7.3%、前月比+17.7%となった。
2025年1〜3月累計の粗鋼生産量は849万トンで、前年同期比12.5%の減少となった。うち酸素転炉による生産は575万トン(▲15.1%)、電炉は274万トン(▲6.4%)。銑鉄の累計生産量は532万トン(▲15.7%)、熱間圧延鋼材は764万トン(▲10.9%)と、主要製鋼指標がすべて前年を大きく下回っている。
WVStahlによると、ドイツは2024年に前年比+5.2%の3,723万トンの粗鋼を生産し、世界鉄鋼協会(WSA)のランキングで世界トップ10に位置したが、依然として40百万トンを下回る「景気後退水準」が3年連続で続いている。
同年の銑鉄生産は2,433万トン(+2.9%)、熱間圧延鋼材は3,161万トン(+3.0%)だった。2025年に入ってからの急減産傾向は、世界的な需要鈍化、エネルギーコストの上昇、欧州グリーン政策への対応など複合的な要因によると見られ、ドイツ鉄鋼業界は厳しい舵取りを迫られている。
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