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World Steel Association |
2025年3月のトルコの粗鋼生産量は、前月比7.0%増の313万トンとなり、前年同月比では2.8%減となった。2月に年間最低水準近くまで落ち込んだ後の反発で、底打ちの兆しを見せている。これは世界鉄鋼協会(World Steel Association)の最新統計によるもの。
同月の銑鉄生産は83.7万トンで、前月比16.9%増と大幅に回復したが、前年同月比では4.9%減。これは2024年10月以来の高水準となる。
一方、2025年1〜3月期のトルコの粗鋼生産は前年比3.4%減の926万トン、銑鉄生産は11.8%減の232万トンと、年初からは減速傾向が続いている。
2024年は復興と輸出拡大で回復基調
トルコの鉄鋼業界は2024年、2年にわたる停滞から回復し、粗鋼生産量は前年比9.4%増の3,689万トン、銑鉄は17.2%増の1,019万トンと成長した。月平均では、粗鋼が307万トン(前年は281万トン)、銑鉄が84.9万トン(前年は72.4万トン)となった。
この成長は、地震被災地の復興を含むインフラ投資、輸出の増加、製鉄所の近代化などが主因である。
2025年も成長余地、ただし下振れリスクも
2025年は、政府の公共投資や地域市場の拡大、グリーン技術の導入によって成長が継続する可能性があるが、需要の変動性、アジアからの競争、地政学リスク、商品市況の下振れなど課題も残る。
世界鉄鋼協会の予測によれば、2025年のトルコ国内の鋼材需要は前年比1.7%減の3,550万トンとなる見通し。2024年は前年比5.5%減の3,600万トンとされており、引き続き需給バランスに注視が必要である。
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