米国再生鋼材価格、4月は最大51ドル下落 3カ月の上昇に歯止め

RMDAS

米国の製鉄所は2025年4月、主要再生鋼材グレードについて、前月より1トン当たり19〜51ドル安い価格で購入した。3カ月連続で価格上昇が続いた再生鋼材市場は、ここに来て明確な反落に転じている。

ピッツバーグに本拠を置くMSA社のRaw Material Data Aggregation Service(RMDAS)がまとめた取引データによると、全米3地域すべてでNo.1ヘビー・メルティング・スチール(HMS)、シュレッデッドスクラップ、プレススクラップ系(プロンプト・インダストリアル・コンポジット)の価格が下落した。

とくにノース・ミッドウエスト地域(イリノイ、ミネソタ、ネブラスカなどを含む)では、シュレッデッドスクラップの価格が前月比51ドル安となり、最大の下げ幅を記録。他2地域でも38〜39ドル下落し、全米平均では43ドルの下落となった。

HMSは全米平均で30ドル安となり、地域別では29〜32ドルの下げ幅を記録。ノース・ミッドウエスト地域では同グレードの平均取引価格が371ドル/トンと、4月の最低水準に沈んだ。

一方、プレススクラップ系(No.1バンデリング、ファクトリーバンデルなどを含む)は平均21ドルの下落と比較的安定しており、とくにノースセントラル/イースト地域では平均480ドル/トンで最も高値を維持した。

また、鉄スクラップ最大の輸出先であるトルコ向けの取引価格も下落基調にあり、Davis Indexによると、4月中旬以降に成立した3件の米国・トルコ間の取引価格は、同月初旬より平均2.70ドル/トン低い水準だった。足元では、米国内外ともに鉄スクラップ市況の反発は見込みにくい状況が続いている。

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