中国のAPT輸出規制がタングステン市場に与える影響

タングステン

価格高騰と供給網の混乱

中国がパラタングステン酸アンモニウム(APT)およびタングステン鉱石の輸出を厳格に管理する方針を発表したことで、欧州および日本市場における価格が急騰している。供給の不確実性が高まる中、欧州の買い手は「安全在庫」の確保に動いており、先行き不透明な市場環境に対応しようとしている。

中国政府はAPTとタングステン鉱石を「デュアルユース品目」として輸出規制対象に加えた。これにより、世界のタングステン需要家は供給網の混乱を懸念している。現在、中国の供給業者は政府からの明確な指示と許可を待っており、新規価格の提示を控えている。このため、価格設定の遅れは今後約45日間続くと予想され、市場の不安を一層高めている。

輸出制限により供給が制約されることで、特に欧州と日本市場への影響が大きいと見られる。米国の買い手は主にタングステンスクラップを使用しているため直接的な影響は比較的少ないが、世界的な供給逼迫によりスクラップ価格も上昇すると考えられる。欧州の買い手は需要増ではなく、供給混乱を見越した事前確保の動きを強めている。

世界市場への影響と価格見通し

新たな輸出規制では、中国の輸出業者が最終的な使用者と用途を当局に報告する義務を負う。これにより、供給網の複雑さが増し、納期の遅れが発生する可能性がある。日本のタングステン輸入の約70%が中国からのものであるため、この規制の影響を最も受けると予想される。欧州連合(EU)も同様に、中国からの輸入依存度が高く、供給網の混乱に直面することになる。

中国の輸出制限により、特に欧州と日本で価格が上昇する見込みだが、その影響の全容は依然として不透明だ。APTはタングステン酸化物や粉末の製造に不可欠な中間原料であり、供給制約が続けば価格の急騰が懸念される。

この状況は、中国のアンチモン輸出遅延による欧州市場の混乱と価格急騰と比較されることが多い。APTとタングステン鉱石の供給が一層制約されれば、市場価格がさらに上昇する可能性が高い。

中国の輸出規制により、APTおよびタングステン鉱石の価格は当面の間、不安定な状況が続くと見られる。規制の実施期間と厳格な運用が価格変動の幅を決定する要因となる。特に欧州と日本の市場は影響を受けやすく、供給網の適応が求められる。

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